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【翻訳漏れの箇所等を追加 2010/8/5】
15年の実刑判決を受けたガイラット・ニヤズ氏
去年7月5日の新疆ウィグル自治区のウルムチで発生したウィグル人に対する弾圧から1年。一連の衝突で200人以上の死者を出した。その後の当局の弾圧によって多数のウィグル人が逮捕されている。ウィグル人民を取り巻く状況は一向に好転する気配を見せていない。
今年7月23日にはウィグル人知識人のガイラット・ニヤズ氏に15年の実刑判決が下された。ガイラット氏は昨年10月1日、当局に「国家安全危害罪」の容疑で逮捕されていた。海外メディアへの取材に応じたことなどが容疑の一つとされたが、7・5事件を前後して各方面で発言を行っていたガイラット氏を狙い撃ちにした思想・言論・民族的弾圧に他ならない。
「穏健派」といわれるガイラット氏に対する厳しい弾圧は、中国政府の民族政策の行き詰まりを現している。しかしその行き詰まりを「鉄拳」で切り開いたとしても、その先にあるのは民族対立・衝突という、歴代各国のスターリニズム体制が決して打開することのできなかった奈落への下り坂でしかない。
北京でエイズ問題に取り組むNGOの愛知行研究所なども抗議声明を発表している。(梶ピエールの備忘録。より)
ガイラット氏に対する不当な判決以降にも、昨年7月以降の治安弾圧の過程で逮捕されていたDiyarimウェブサイトのDilshat Perhat氏(3年)、SalkinウェブサイトのNureli氏(3年)、ShabnamウェブサイトのNijat Azat氏(10年)らに実刑判決が下されている。
「他民族を抑圧する民族は自由ではありえない」。日本国内における民族差別解消の前進と侵略戦争に対する歴史的責任の明確化を通じて、アジア各地域における民族問題克服の前進につなげよう。民族差別と人権蹂躙をゆるさない中国人民の取り組みに注目しよう。(H)
【参考】
◎抑圧に抗議するウィグル人民への暴力的弾圧を許さない! 週刊かけはし2009.7.20号
◎中国 二重の抑圧――新疆短評(上) 週刊かけはし2009.9.7号
◎中国 二重の抑圧――新疆短評(下) 週刊かけはし2009.9.14号
以下は、7月31日に発表されたガイラット氏の釈放を呼びかけるウェブ署名の翻訳。
【8/5追加】こちらのサイトでも同じ文章がきれいな訳文で紹介されている。ウィグル人の人権状況に関するレポートも掲載されているので一読を
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ウィグル族の記者を釈放し 言論の自由を尊重せよ
【ウィグルオンライン、崔衛平のブログ,維権網,参与網,博訊および署名者のブログに同時発表】
51歳のウィグル族の記者・作家のGheyret Niyaz(ガイラット・ニヤズ)は、新疆ウィグル族自治区ウルムチ市の中級人民法院〔地裁〕で「国家機密漏洩」の罪で15年の実刑判決を受けました。ガイラットは新疆の塔城〔チョチェク〕の生まれで、中央民族学院を卒業し、「新疆法制報」紙総編集室主任、『法治縦横』雑誌社の副社長を務めました。長年にわたりインターネット上で漢語による文章を執筆し、「ウィグルオンライン」ウェブサイトの編集・管理、同サイトのフォーラムのモデレータ〔管理者〕として、多くのネットユーザーから注目されるウィグル人知識人となりました。
15年の実刑判決を受けたガイラット・ニヤズ氏
去年7月5日の新疆ウィグル自治区のウルムチで発生したウィグル人に対する弾圧から1年。一連の衝突で200人以上の死者を出した。その後の当局の弾圧によって多数のウィグル人が逮捕されている。ウィグル人民を取り巻く状況は一向に好転する気配を見せていない。
今年7月23日にはウィグル人知識人のガイラット・ニヤズ氏に15年の実刑判決が下された。ガイラット氏は昨年10月1日、当局に「国家安全危害罪」の容疑で逮捕されていた。海外メディアへの取材に応じたことなどが容疑の一つとされたが、7・5事件を前後して各方面で発言を行っていたガイラット氏を狙い撃ちにした思想・言論・民族的弾圧に他ならない。
「穏健派」といわれるガイラット氏に対する厳しい弾圧は、中国政府の民族政策の行き詰まりを現している。しかしその行き詰まりを「鉄拳」で切り開いたとしても、その先にあるのは民族対立・衝突という、歴代各国のスターリニズム体制が決して打開することのできなかった奈落への下り坂でしかない。
北京でエイズ問題に取り組むNGOの愛知行研究所なども抗議声明を発表している。(梶ピエールの備忘録。より)
ガイラット氏に対する不当な判決以降にも、昨年7月以降の治安弾圧の過程で逮捕されていたDiyarimウェブサイトのDilshat Perhat氏(3年)、SalkinウェブサイトのNureli氏(3年)、ShabnamウェブサイトのNijat Azat氏(10年)らに実刑判決が下されている。
「他民族を抑圧する民族は自由ではありえない」。日本国内における民族差別解消の前進と侵略戦争に対する歴史的責任の明確化を通じて、アジア各地域における民族問題克服の前進につなげよう。民族差別と人権蹂躙をゆるさない中国人民の取り組みに注目しよう。(H)
【参考】
◎抑圧に抗議するウィグル人民への暴力的弾圧を許さない! 週刊かけはし2009.7.20号
◎中国 二重の抑圧――新疆短評(上) 週刊かけはし2009.9.7号
◎中国 二重の抑圧――新疆短評(下) 週刊かけはし2009.9.14号
以下は、7月31日に発表されたガイラット氏の釈放を呼びかけるウェブ署名の翻訳。
【8/5追加】こちらのサイトでも同じ文章がきれいな訳文で紹介されている。ウィグル人の人権状況に関するレポートも掲載されているので一読を
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ウィグル族の記者を釈放し 言論の自由を尊重せよ
【ウィグルオンライン、崔衛平のブログ,維権網,参与網,博訊および署名者のブログに同時発表】
51歳のウィグル族の記者・作家のGheyret Niyaz(ガイラット・ニヤズ)は、新疆ウィグル族自治区ウルムチ市の中級人民法院〔地裁〕で「国家機密漏洩」の罪で15年の実刑判決を受けました。ガイラットは新疆の塔城〔チョチェク〕の生まれで、中央民族学院を卒業し、「新疆法制報」紙総編集室主任、『法治縦横』雑誌社の副社長を務めました。長年にわたりインターネット上で漢語による文章を執筆し、「ウィグルオンライン」ウェブサイトの編集・管理、同サイトのフォーラムのモデレータ〔管理者〕として、多くのネットユーザーから注目されるウィグル人知識人となりました。
ガイラットは新疆問題について身を以って感じ、また一連の研究を行ってきました。『亜洲週刊』の報道によると、2009年の広東省韶関での事件(※)が発生した後、彼はウェブ上のウィグル族たちの反応を注視し、7月5日には何か大きな事件が起こるだろうと考えて、7月4日午後8時に関係部門に警告を発信しました。そして7月5日午前10時、新疆ウィグル自治区政府の主要な指導者らに面会し、三つの提案を行ったが聞き入れられませんでした。彼は、事件の誘因は、二重言語教育と政府によるウィグル人出稼ぎ労働者政策にあると考えていました。彼はメディアの取材に対して、このような状況を説明し、その後、9・3事件に関する一部の事実を暴露しました(※)。彼は文章でこう指摘しています。ウィグル族は資源的優位性によるさまざまな経済的恩恵を享受することができず、日々周辺化、貧窮化しています。その上、ここ20年来の新疆ウィグル自治区政府による反テロ政策の拡大、イデオロギー領域における反独立闘争の拡大、広範囲に及ぶ非人道的な身元捜査や検問所の設置などが、ウィグル民衆の感情を著しく傷付け、高度の心理的緊張状態を強いることで、民族的矛盾を激化させているのです。
ガイラットは自立的精神を保持し、長年にわたり国家と民族の運命、民政問題に心を寄せてきたウィグル族の知識人です。彼は、ウィグル族と漢民族は理解を深めなければならないと主張していました。彼の政治的立場は一貫して穏健・理性的で、体制に親和的な傾向にあるとさえ見なされてきました。知識人によるこのような民族間の意思疎通と和解は極めて重要です。ガイラットは無実の罪で重刑に処されました。これによって感情と行動の極端化が助長され、さらに多くの人びとが対立局面に押し流され、ウィグル族や漢民族を含む各民族人民の感情を大いに傷つけることになるでしょう。
このほかにも、ウィグル族のウェブ管理者とメディア関係者が言論と思想信条を理由に逮捕あるいは判決を受けたという情報を受け取り、深く憂慮しています。私たちは、思想および信条の表現は、身分、民族、信仰に関わりなく、等しく平等で十分に尊重される必要があると考えます。私たちは、ガイラットなどのメディア関係者が言論を理由に処罰されるという事態が、「国家が人権を尊重し保障する」という憲法に背くものであり、わが国の憲法に明記されている公民の言論の自由という精神と相衝突し、わが国がすでに署名・発効している「世界人権宣言」等の国際人権規約に背馳すると考えています。私たちは、政府の関係部門が法治を尊重し、勇気と知恵をもって公民の自由と尊厳を保障する基本的条件を創造することを希望します。それはまた民族矛盾を緩和し、社会の平和と国家統一の堅実な基礎を維持することにもなるでしょう。
署名者
王力雄(北京 学者)
茅于軾(北京 学者)
崔衛平(北京 学者)
伊力哈木(北京 学者)
唯色(藏人 作家)
徐友漁(北京 学者)
艾暁明(广州 学者)
杜光 (北京 学者)
郝建(北京 学者)
郭于華(北京 学者)
夏業良(北京 学者)
章立凡(北京 学者)
李大同(北京 学者)
廖亦武(成都 作家)
張賛寧(南京 学者)
周楓(北京 学者)
朱毅(北京 学者)
范亜峰(北京 学者)
馬波(北京 作家)
兪梅■(北京 学者)(■=草冠に孫)
郭玉閃(北京 学者)
黄鐘(北京 学者)
滕彪(北京 学者)
郭宇寛(北京 学者)
2010年7月30日
(署名宛先:99Gheyret@gmail.com,本名、所在都市、職業を明記してください)
ウィグルオンライン フォーラムより訳出
(※訳注)
広東省韶関での事件:2009年6月26日に広東省韶関にある玩具工場で発生したウィグル族労働者と漢族労働者の衝突。2名のウィグル人労働者が死亡した。7月5日にはウルムチ市内でこの事件の真相究明を求め抗議する行動があり、それに対する治安当局の弾圧が衝突を拡大させた。新刊『裸の共和国―現代中国の民主化と民族問題』(加々美光行 著/世界書院/1260円)に衝突の詳しい背景などが書かれてある。一読を。
9・3事件:ウィグル族が注射針殺傷事件を起こしているので取締りを強化せよと主張する漢民族のデモと治安隊との衝突。この混乱の最中に多くのウィグル人が襲撃された。ガイラット氏による9・3事件の真相についてはここを参照
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