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9月17日、米国ニューメキシコ州の米陸軍ホワイトサンズ・ミサイル発射試験場で、日本のBMD(弾道ミサイル防衛システム)の地対空誘導ミサイルPAC3の実弾発射訓練が初めて行われた。航空自衛隊が二発のPAC3を発射し、弾道ミサイルに仕立てた標的を迎撃し、破壊することに成功したと報じられている。
しかし、今回の実験では標的の速度を実際より遅く設定し、発射時刻や飛来方向もあらかじめ事前に決められた状況で実施したものであり、「あてて下さい」と言わんばかりのものであった。こうしたデモンストレーションに使われるPAC3ミサイルは一発八億円。他に実験にかかる費用は約15億4千万円。実にこのパフォーマンスで30億円以上が費消されたのだ。海上配備型のミサイルSM3の実射試験は昨年12月に海上自衛隊のイージス艦こんごうがハワイ沖ですでに行っている。
PAC3をすでに配備しているのは、アメリカ、日本、オランダ、ドイツの四カ国だが、米国以外で発射試験を行った国は日本が初めてだという。防衛省は入間(埼玉)、習志野(千葉県)、武山(神奈川県)、霞ヶ浦(茨城県)、浜松(静岡県)の各基地にPAC3を配備しているが、2010年度末までに京阪神、北部九州などに計十六隊分のPAC3を配備する。さらに同じく2010年度末までに、佐世保基地の配備される「こんごう」以外の三隻のイージス艦をSM3搭載型に改造する、としている。こうして莫大な税金を浪費して進められるBMDシステムは、米国の先制攻撃戦略の一翼を日本が担うことを意味する。
9月14日、PAC3ミサイルの実射訓練に抗議して「軍需利権より生存権を!PACミサイルの実射訓練をやめろ! 防衛省行動」が行われた。主催はPAC3実射訓練に反対する全国実行委員会。
午後1時半からの防衛省前の行動には、核とミサイル防衛にNO!キャンペーン、平和の声・行動ネットワーク(入間)、パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会など60人以上が参加した。浜松のNO!AWACSの会、愛知の不戦へのネットワークなどからも防衛省への申し入れ書が寄せられた。
入間からの発言に続いて、習志野の仲間からは配備強行から一年にあたる11月24日に予定されている抗議行動への参加が呼びかけられた。新しい反安保行動をつくる実行委員会は、安倍内閣の下で作られ、今年六月になってようやく発表された安保法制懇の「報告書」が「米国に向かうかもしれない弾道ミサイルを我が国が撃ち落とす能力を有するにもかかわらず撃ち落とさないという選択はあり得ない」としていることに注意を喚起した。
最後に全国から寄せられた要請書と北九州からの署名を、対応に出た防衛事務官に渡し、防衛省に向けたシュプレヒコールで約一時間の行動をしめくくった。(K)