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鳩山邦夫法相による死刑執行に抗議する集会
12月16日(日)午後6時から
日本キリスト教会館4階会議室(早稲田)
発言は安田好弘、保坂展人、免田栄(予定)
ほか執行された方と交流のあった方をお招きする予定です。(フォーラム90)
抗 議 声 明
本日、藤間静波さん(東京拘置所)、池本登さん(大阪拘置所)、府川博樹さん(東京拘置所)に死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。
今回の執行から、執行された方の氏名と事件の概要などを公表しているが、その内容は法務省にとって都合の良いものに限定されており、問題点については、何も触れていない。
藤間静波さんは本人が控訴を取り下げたが、弁護人が責任能力に問題があると判断し、異議申立をして、控訴審が再開された稀有な事案である。執行直前まで交流していた支援者の情報によれば、精神的に極めて不安定であり、刑訴法479条第1項の「死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によって執行を停止する」に抵触している疑いのある執行である。また、池本登さんは、一審は無期懲役であり、検察官控訴によって死刑に逆転したケースであって、検察官控訴自体その適法性につき疑いがある。特に、池本さんは、最後まで事実について争っており、死刑確定後も弁護人の弁護を受ける権利を保障されないまま、自力で再審を行っていたものであって、権利の保障に著しく欠けるものである。府川博樹さんは、自ら上告を取り下げており、最後まで審理が尽くされていない状態で執行されており、必要的上訴の保障を欠いたままの執行である。法務省は、これらの情報について明らかにするとともに、なぜ、本日、彼ら3名の死刑を執行しなければならなかったのか、その一人一人について理由を明らかにすべきであるし、執行が本当に適正に行われたか否か、残酷に行われていないか、その手続のすべてについて事実を明らかにすべきである。
今回の執行は、上記の問題点をあえて無視して執行を強行するという、まさに、鳩山邦夫法務大臣の「ベルトコンベアー」発言を実行したものにほかならない。
国連第3委員会で決議された「死刑執行停止決議」が、今月10日頃には正式に国連総会で採択される矢先に、3名もの死刑執行を強行したことは、暴挙としか言いようがない。日本政府は、国連に対して、一方では北朝鮮拉致被害者の問題を人権侵害と提起していながら、一方では国連の流れに反して、人権侵害の最たるものである死刑執行を強行するというダブルスタンダードを行っていて、偏頗というほかない。
更に、最近の常軌を逸した厳罰化の流れの中で、03年までは年間2~7人だった死刑確定者が04年は14人、05年は11人、06年は20人、本年はすでに22人と激増し、確定者が110人という異常な状態で、確定者の人数を減らす目的のために執行を急ぐ行為は、確定判決の増加を更に加速させようとするものであって、極めて政治的に行われた死刑執行であり、ひたすら、死刑大国を目指すものと言わざるを得ない。
死刑は、残虐な刑罰であり、民主主義の理念に真っ向から反するものである。死刑には犯罪抑止効果がないばかりか、かえって、社会の倫理観を荒廃させる。死刑に必ず冤罪があることは、免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件の再審無罪で証明されたところである。死刑は直ちに廃止されなければならない。
死刑廃止は国際的な潮流であり、すでに世界の3分の2以上の国と地域で死刑は廃止されている。日本は、国連や欧州連合など国際社会から強く死刑廃止を求められている。今回の死刑執行はおよそ許されるべきものではない。
われわれは、日本政府および法務省並びに法務大臣に対し、今回の死刑執行に強く抗議するとともに、直ちに以下の施策を実施するよう求める。
1 死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けて努力すること。
2 死刑に関する情報を公開すること。
3 死刑確定囚に対する処遇を抜本的に改善すること。
4 犯罪被害者に対する物心両面にわたる援助を拡充すること。
また、最高裁判所並びに全国の裁判所に対して直ちに死刑の濫用を止め、死刑判決を差し控えるよう強く求める。
2007年12月7日
死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90