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月二十八日、根津公子さん(都立南大沢学園養護学校)への「君が代解雇」を許さない東京都教育委員会要請行動が行われた。根津さんをはじめ「河原井さん根津さんの「君が代」解雇をさせない会」、「石原・中村東京都教育委員会の暴走を止めよう!ネットワーク」など支援六十人以上が駆け付けた。 

この日は、都庁第2庁舎30階教育委員会室で都教委第六回定例会があり、「東京都公立学校教員等の懲戒処分等について」の議題で「根津さんの処分」についての審議が予定されていた。根津さんと支援は、二十四日から定例会に向けて連日の都教委要請行動を取り組んできた。この日も早朝から行動が取り組まれた。

都教委、木村孟〈教育委員長〉、中村正彦〈教育長〉、内舘牧子〈教育委員長職務代理者〉、高坂節三〈教育委員長職務代理者〉、竹花豊〈教育委員〉、瀬古利彦〈教育委員〉)は、これまでの要請行動に対してガードマンを二十数人配備し、妨害を繰り返してきたが、同様に妨害を行ってきた。支援は、ガードマンの後方で不誠実な対応を続ける教育庁の職員に対して、請願権を否定する暴挙を糾弾していった。職員は、「教育委員会開催中ですからお静かに願います」と繰り返すだけだ。

午前十一時近くになって報道関係と傍聴者たちが退出。処分議題は非公開で密室で審議するらしい。不当な密室審議に抗議して、支援は「根津さんを解雇をするな!請願を受付ろ!教育長はででこい!」のシュプレヒコールを繰り返した。
都教委は、三月三十一日に卒業式不起立者に対する処分発令を強行する。予防訴訟をすすめる会、被処分者の会、被解雇者の会、不採用撤回を求める会の共催で被処分該当者を呼び出す教職員研修センター前で「卒業式処分発令抗議・該当者支援行動」を設定している。
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「日の丸・君が代」強制反対の不起立をすれば必ず処分される困難な状況の中でも闘いは継続している。
三月二十四日、根津さんは、都教委の不当な圧力に抗して都立南大沢学園養護学校の卒業式で免職覚悟の「君が代・日の丸」に抗議する不起立を貫いた。正門前には支援の仲間たちがかけつけ「根津さんをクビにしないで」「君が代の強制はやめろ」と激励アピールの輪が広がっていた。 

すでに都教委は、根津さんに対する集中した不当処分を強行してきた。〇七年三月、根津さんが勤務する町田市鶴川二中の卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかったことを理由に停職六カ月、南大沢学園養護学校に報復異動を強要した。しかし根津さんは、〇八年の卒業式でも「日の丸・君が代」不服従・不起立宣言をしていた。都教委は、「停職は六カ月まで」と事前通告し、解雇をちらつかせてきた。また、「日の丸・君が代」強制に抗議するトレーナーを着用したことで事情聴取し、「職務命令違反、職務専念義務違反」だとして新たな不当処分をねらっている。これ以上の都教委の教育破壊を許してはならない。根津さんの不当解雇をやめろ!

一九九九年「国旗国歌法」制定後、都教委は、新自由主義的教育改革と国家主義を合体させた教育戦略を設定してきた。それは「東京都教育ビジョン」(○四年四月)に基づく学校統廃合、学校間格差、「学力テスト」を通した競争主義であり、教員に対しては十・二三通達(「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について」(通達)03年10月23日)で「日の丸・君が代」強制を職務命令で徹底させようとする攻撃であった。すでに三百八十八人の教職員を「職務命令」違反だとして処分を強行してきた。これは憲法十九条の思想・信条の自由を否定した改憲攻撃の先取りでもあった。また、被処分者への「再発防止研修」という名の転向強制、再任用予定者への解雇(再任用拒否)などの攻撃も繰り返してきた。 

 文科省は、小中学校の新学習指導要領を告示(三月二十八日)したが、文科相の諮問機関の「中央教育審議会」の審議を経ないまま、二月の改定案になかった「我が国と郷土を愛し」、「君が代は歌えるよう指導する」を加筆し、「伝統と文化を継承し」を「尊重し」へと改ざんしてしまった。いずれも日本会議所属の自民党議員らの圧力を受け入れたようなポーズをとりながら、官僚らは「修正は中教審の答申の枠の中で行っており、批判を受けるとは考えていない」などと居直り、 改悪教基法を教育現場に貫徹させていくために 行ったのである。
 都教委は、文科省による愛国心教育の強化の動きと連動しながら根津さんに対する不当解雇を強行しようとしているのだ。不服従・不起立抗議の闘いに対するみせしめ的な弾圧をはね返していこう。

(Y)

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