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 4月29日、「天皇制国家と植民地主義を問う」4・28―29連続行動の一環として、前日の反安保実の集会につづき「4・29反『昭和の日』行動」集会が東京・恵比寿区民会館で開催された。主催は同行動実行委員会。集会には百十人が集まった。

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 最初に主催者を代表して反天皇制運動連絡会の新孝一さんが発言。新さんは、昭和天皇裕仁の誕生日だった4月29日が2005年の祝日法改悪によって「みどりの日」から「昭和の日」になった経過を説明し、昭和天皇の戦争責任追及の声が決して小さなものではなかったために、いったん「みどりの日」というクッションを置いた形でないと、批判をかわせなかったのではないか、と語った。そして今こそ韓国併合百年・安保改定五十年の今年に、あらためて過去の植民地支配と今日の植民地主義を貫く批判の立場と行動が必要だ、と訴えた。

 この日のメイン報告は立命館大教員(朝鮮近現代史)の庵逧(あんざこ)由香さん。庵逧さんは1997年から2006年まで韓国に留学していたが、その間の日本の韓国認識の大きな変化として「韓流」という形で日本の人々の韓国・朝鮮に対する無関心が大きく変化し、韓国の大衆文化が身近に受容されるようになったという歓迎すべき事態があること、他方では韓国がイメージアップした分だけ差別や偏見の意識が朝鮮民主主義人民共和国に向かい、さらに在特会に代表されるような在日外国人・朝鮮人の日本での生活権や生存権を否定するネオ・ファシズム的運動が登場していることを指摘した。

 植民地主義の問題についてはどうか。庵逧さんは、日本帝国主義の植民地支配の研究の蓄積が進む一方で、植民地主義を批判する日本人の側に「いかに日本がひどいことをしてきたのか」という点でのみ問題を捉え、日本人の主体的責任を切開するという、それ自身は重要な課題にのみ集中する結果として朝鮮人の主体が見えなくなっていることがありはしないか、と提起した。その例として庵逧さんは、日本の朝鮮植民地支配はそれほど深く民衆の間に浸透していたわけではないこと、1045年8月15日の解放後わずか数日で地域レベルの建国準備委員会が結成され、人民委員会と名を変えたその組織は米軍占領下の南でも三カ月のうちに五割を超える自治体で作られていたことを紹介した。

 庵逧さんは、さらに日本による「朝鮮総動員体制」の歴史を報告する中から、「愛国班」を基礎にした朝鮮半島の物的・人的・精神的・文化的な戦争動員体制の実情を分析した。しかしこの総動員体制によっても、朝鮮半島の民衆は解放されたとたんに独立国家形成に向かう動きを急速に開始していったのである。

 集会ではこの後、反安保実、「韓国強制併合100年共同行動」日本実行委員会、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、立川自衛隊監視テント村、辺野古への基地建設を許さない実行委、アクティブミュージアム女たちの戦争と平和資料館(WAM)、2010安保連絡会のあいさつを受けてデモに出発。

 デモは渋谷署の不当な規制を参加者一体となった抗議でやめさせ、さらに右翼街宣車の大音量での執拗な罵倒をはねのけて、渋谷ハチ公前広場を通って宮下公園までのデモを行った。(K) 

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