アジア連帯講座のBLOGです
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4月3日、郵政労働者ユニオン(郵政ユニオン)は、全国十カ所で42人が一時間の時限ストを貫徹した。郵政労働者がストライキに入ったのは1975年のスト権スト以後、実に33年ぶりである。ストライキに入ったのは、東京地本の麻布、高輪、蒲田の三支店、関東地本の千葉支店、近畿地本の左京(京都)、豊中、吹田千里(大阪)の三支店、中国地本の広島東支店、九州地本の若松(福岡)、長崎支店である。
郵政ユニオンは今春闘を「非正規春闘」と位置づけ、生活を守る賃金の大幅引き上げ、人間らしい労働のための大幅増員要求とともに、非正規社員の待遇改善要求(すべての非正規労働者の時間給200円アップ、正社員との差別撤廃・均等待遇改善)を掲げて中央交渉を積み重ね、スト権を圧倒的多数で確立した。
ニュース映像(NTV)
郵政ユニオンは今春闘を「非正規春闘」と位置づけ、生活を守る賃金の大幅引き上げ、人間らしい労働のための大幅増員要求とともに、非正規社員の待遇改善要求(すべての非正規労働者の時間給200円アップ、正社員との差別撤廃・均等待遇改善)を掲げて中央交渉を積み重ね、スト権を圧倒的多数で確立した。
ニュース映像(NTV)
しかし3月13日の会社側回答は、正社員に対してはわずか600円、月給制契約社員に対しては400円という超低額回答にとどまり、さらに時給制契約社員とパートタイマーに対しては「ゼロ回答」というものだった。また非正規社員への病気休暇の有給化、計画休暇、時間休暇制度の創設、通勤手当の支給、人間ドック受診など正社員との均等待遇改善要求についても「ゼロ回答」だった。
「六百円」の回答が出た時点で、JPU(旧全逓)と全郵政が合併して発足した「民間最大単産」を誇る日本郵政事業グループ労組は、久しぶりの「有額回答」が出たことについて「会社側に感謝」した。また全労連加盟の郵産労も妥結に応じ、スト権を発動しなかった。こうした中で、郵政ユニオンは六百人の少数派組合であるものの、中央交渉を積み重ねつつ、非正規社員の待遇改善・差別撤廃、時給アップを前面に掲げたスト体制を打ち固め、4月3日の歴史的なストライキに入ったのである。
東京では4月3日朝7時半から、麻布支店前で郵政ユニオンの組合員と支援の労働者50人以上が参加してスト突入集会を行った。すでに支店前では会社側の管理者が20人以上配置され、道の反対側では警察も警戒体制に入っている。
冒頭発言した郵政ユニオン・内田正委員長は「時給制の非正規社員、パート社員へのゼロ回答は格差拡大を意味する。こんなことは認められない。あくまで非正規の仲間の待遇改善を求めて闘う」と宣言した。続いて藤崎全労協議長・08けんり春闘実行委員会代表が連帯発言。藤崎さんは、この日午後2時からの経団連包囲闘争をはじめとして「けんり春闘総行動」を行うと呼びかけた。また「企業が空前の高利益を上げる一方、労働者の賃金は九年連続して下がっている。非正規労働者が権利を剥奪され、貧困を強制されている一方で正規労働者の長時間労働が拡大し、過労死がもたらされている。物価は高騰し、生活できる賃金が得られない。今こそ貧困と格差に対する労働者の闘いを」と訴えた。
郵産労東京地本・山下副委員長のあいさつに続いて、ストライキに突入する須藤さん(麻布)、石川さん(高輪)、松原さん(蒲田)が決意表明。須藤さんは「非正規労働者の思いが上層部に届くことを願ってストに立ち上がった。これはまだ小さな一歩だが、時給制契約社員の賃金を1円でも上げるために闘う」と語った。
続いて「郵政16万人の非正規労働者の格差是正のために闘っておられることに敬意を表したい」という川田龍平参院議員の連帯メッセージが読み上げられた。
ストライキ集会では多くの支援の仲間が発言に立った。国労闘争団から音威子府闘争団の仲間、電通労組の日野書記長、南部全労協、全国一般東京なんぶ、全国一般全国協書記長の遠藤一郎さん、都庁職病院支部駒込病院分会書記長の大利さん、郵政民営化を監視する市民ネットの稲垣さんと発言は続く。電通労組の日野さんは、電通労組首都圏支部も全員ストで闘っていることを報告し、駒込病院分会の大利さんは「地域から鉄道、郵便局、病院が消える民営化の攻撃に反対しよう」と強調した。
郵政ユニオン副委員長の棣棠(ていとう)副委員長が交渉経過を報告した後、再び、連帯発言が行われ、中小労組政策ネットの平賀さん、国鉄闘争共闘会議の小野寺さんが激励のあいさつを送った。また連帯メッセージが社民党国会議員の保坂展人さん、又市征治さん、近藤正道さん、全港湾、練馬地域ユニオン、均等待遇アクション21、ユニオンの各支部、ゆうメイト全国交流会、市民自治をめざす会の吉野信次さんのほか、郵政ユニオンの国際活動を反映して、ニュージーランド郵政労組のジョン・メイナードさん、フランスのSUD-PTT、郵政ユニオン組合員でパリ在住の山口啓さんからも送られていることが紹介された。
一時間のストを貫徹した須藤さんを送り出した後、十一時半から霞が関の郵政事業グループ本社前で、再び集会。この集会では千葉支店で同じく一時間ストを貫徹した仲間をはじめとした関東地本の組合員も結集した。千葉支部からのあいさつのほか、社民党保坂衆院議員の秘書・大久保青志さんや東京全労協と南部全労協、神奈川県共闘、大鵬薬品労組の仲間なども発言し、最後に郵政グループ本社に向けたシュプレヒコールを繰り返した。
集会の後、郵政ユニオンの労働者は午後二時からの経団連包囲行動、午後四時半からの霞が関デモにも合流し、文字通りの全日闘争となった。
33年ぶりの郵政ストライキ闘争はメディアでも注目を集め、昼のTVニュースや各紙夕刊でも報じられた。「33年ぶり」ということは、ごく一部を除くほとんどの郵政ユニオンの組合員にとっては、初めてのストライキだったことを意味している。このストはまさに「ささやかな一歩」ではあるが、大きな自信を組合員に与えたに違いない。この日の行動には非正規の組合員も参加した。いま郵政ユニオンは非正規の労働者の組織化をさらに前進させ、「差別撤廃・均等待遇」のために奮闘しようとしている。(K)
「六百円」の回答が出た時点で、JPU(旧全逓)と全郵政が合併して発足した「民間最大単産」を誇る日本郵政事業グループ労組は、久しぶりの「有額回答」が出たことについて「会社側に感謝」した。また全労連加盟の郵産労も妥結に応じ、スト権を発動しなかった。こうした中で、郵政ユニオンは六百人の少数派組合であるものの、中央交渉を積み重ねつつ、非正規社員の待遇改善・差別撤廃、時給アップを前面に掲げたスト体制を打ち固め、4月3日の歴史的なストライキに入ったのである。
東京では4月3日朝7時半から、麻布支店前で郵政ユニオンの組合員と支援の労働者50人以上が参加してスト突入集会を行った。すでに支店前では会社側の管理者が20人以上配置され、道の反対側では警察も警戒体制に入っている。
冒頭発言した郵政ユニオン・内田正委員長は「時給制の非正規社員、パート社員へのゼロ回答は格差拡大を意味する。こんなことは認められない。あくまで非正規の仲間の待遇改善を求めて闘う」と宣言した。続いて藤崎全労協議長・08けんり春闘実行委員会代表が連帯発言。藤崎さんは、この日午後2時からの経団連包囲闘争をはじめとして「けんり春闘総行動」を行うと呼びかけた。また「企業が空前の高利益を上げる一方、労働者の賃金は九年連続して下がっている。非正規労働者が権利を剥奪され、貧困を強制されている一方で正規労働者の長時間労働が拡大し、過労死がもたらされている。物価は高騰し、生活できる賃金が得られない。今こそ貧困と格差に対する労働者の闘いを」と訴えた。
郵産労東京地本・山下副委員長のあいさつに続いて、ストライキに突入する須藤さん(麻布)、石川さん(高輪)、松原さん(蒲田)が決意表明。須藤さんは「非正規労働者の思いが上層部に届くことを願ってストに立ち上がった。これはまだ小さな一歩だが、時給制契約社員の賃金を1円でも上げるために闘う」と語った。
続いて「郵政16万人の非正規労働者の格差是正のために闘っておられることに敬意を表したい」という川田龍平参院議員の連帯メッセージが読み上げられた。
ストライキ集会では多くの支援の仲間が発言に立った。国労闘争団から音威子府闘争団の仲間、電通労組の日野書記長、南部全労協、全国一般東京なんぶ、全国一般全国協書記長の遠藤一郎さん、都庁職病院支部駒込病院分会書記長の大利さん、郵政民営化を監視する市民ネットの稲垣さんと発言は続く。電通労組の日野さんは、電通労組首都圏支部も全員ストで闘っていることを報告し、駒込病院分会の大利さんは「地域から鉄道、郵便局、病院が消える民営化の攻撃に反対しよう」と強調した。
郵政ユニオン副委員長の棣棠(ていとう)副委員長が交渉経過を報告した後、再び、連帯発言が行われ、中小労組政策ネットの平賀さん、国鉄闘争共闘会議の小野寺さんが激励のあいさつを送った。また連帯メッセージが社民党国会議員の保坂展人さん、又市征治さん、近藤正道さん、全港湾、練馬地域ユニオン、均等待遇アクション21、ユニオンの各支部、ゆうメイト全国交流会、市民自治をめざす会の吉野信次さんのほか、郵政ユニオンの国際活動を反映して、ニュージーランド郵政労組のジョン・メイナードさん、フランスのSUD-PTT、郵政ユニオン組合員でパリ在住の山口啓さんからも送られていることが紹介された。
一時間のストを貫徹した須藤さんを送り出した後、十一時半から霞が関の郵政事業グループ本社前で、再び集会。この集会では千葉支店で同じく一時間ストを貫徹した仲間をはじめとした関東地本の組合員も結集した。千葉支部からのあいさつのほか、社民党保坂衆院議員の秘書・大久保青志さんや東京全労協と南部全労協、神奈川県共闘、大鵬薬品労組の仲間なども発言し、最後に郵政グループ本社に向けたシュプレヒコールを繰り返した。
集会の後、郵政ユニオンの労働者は午後二時からの経団連包囲行動、午後四時半からの霞が関デモにも合流し、文字通りの全日闘争となった。
33年ぶりの郵政ストライキ闘争はメディアでも注目を集め、昼のTVニュースや各紙夕刊でも報じられた。「33年ぶり」ということは、ごく一部を除くほとんどの郵政ユニオンの組合員にとっては、初めてのストライキだったことを意味している。このストはまさに「ささやかな一歩」ではあるが、大きな自信を組合員に与えたに違いない。この日の行動には非正規の組合員も参加した。いま郵政ユニオンは非正規の労働者の組織化をさらに前進させ、「差別撤廃・均等待遇」のために奮闘しようとしている。(K)
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