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0d6eaa0a.jpeg成田空港会社は、B滑走路離着陸容量三十万回計画を撤回せよ! 横堀団結小屋周囲への鉄筋柱とネット囲い込み強行を許さない!

 成田空港会社は、二〇一〇年三月の成田空港B滑走路供用の強行に向けて東峰地区住民に対する追い出し攻撃を強めている。その一環として昨年十二月に離着陸容量を現在の年間二十万回から三十万回に大幅に引きあげる計画を明らかにした。計画は、B滑走路からの離陸コースを東側に十五度旋回させてA滑走路のコースから離せば可能だというのだ。ところが離陸コースが東側に広がることで東峰地区および既存のコース下の騒音・環境破壊地帯に加えて成田市北部、多古町、芝山町東部など新たな地域を作り出してしまう。まさに離着陸容量増大と利益至上主義のみを優先した欠陥計画を厳しく糾弾し、ただちに撤回させるために反対運動を強化していかなければならない。

 この暴挙は、アジア国際空港競争からの遅れを取り戻し、航空規制緩和、過密運航、「手抜き」整備などの複合的要因がセットとなる事故多発必至の「航空ビッグバン」時代の突入に向けて暴走を開始したということなのだ。ところが空港会社は十二月二十六日に空港周辺の九市町で構成する「成田国際空港都市づくり推進会議」で説明会を開く予定だったが、芝山町長が「町民の理解が得られない」などを理由に欠席することになり、延期になってしまった。つまり、空港周辺自治体への根回しもそこそこにB滑走路離着陸容量三十万回計画を公表しなければならなかったところに空港会社のあせりと危機感の現れがあるのだ。とりあえず従来通りの手法で事前の根回しを行い一月中にも説明会を再開することになっている。 

だがこの事態の本質は、空港会社の民営化によって、関係自治体や地元利権集団への空港対策費と称する買収費を削減せざるをえなくなり、具体的額を提示できないことへの反発でしかない。例えば、空港会社は、国税局から昨年の税務調査で約十一億円の申告漏れを指摘され、約五億二千万円の追徴課税額を納入しなければならないほどだった。表向きの数字だが、用地買収事業にかかる約二百数十万円は「交際費に当たる」として固定資産処分の損失費用の計上は認められないと通告されるまでにしめつけられている。 

〇五年十二月、空港関連企業と空港会社幹部の談合事件が摘発され逮捕者が出たが、これは外国資本を排除した利権に満ちた組織体質が許されない状況に追い込まれていることの象徴的な事件だった。結局、〇七年予定の株式上場も延期に追い込まれてしまった。三十万回計画は、株式上場の遅れを取り戻すためのアドバルーンとしての性格もあることも注意しておかなければならない。 

すでに空港会社は、「四十カ国以上の航空会社が乗り入れ待ちという状況であり、この計画が実現すれば一気に解決に向かう」などとマスコミを動員してキャンペーンを展開している。千葉県、国交省は、騒音問題について地元との協議が必要などと飛行ルート下の住民に配慮したポーズをとりながらもB滑走路離着陸容量三十万回計画を支持しているのだ。 

国交省は、航空自由化協定の促進と二十四時間空港化を強調した「アジア・ゲートウェイ」構想を打ち出し、「戦略的新航空政策ビジョン」では成田空港平行滑走路二千五百メートル化によって発着回数を二十二万回に増やすことを強調していた。ところが、冬柴国交相は、年頭の業界紙インタビューで「いまでも三十カ国以上の国々が、増便や新規就航を待っており、焼け石に 水の状態」だと述べ、裏で空港会社の三十万回計画をバックアップしていることを明らかにするほどだ。このような政府・千葉県・空港会社が一体となった犯罪計画を暴露し、東峰地区住民をはじめ闘う三里塚農民と連帯して、計画の撤回とB滑走路供用中止の取り組みを強化していこう。

横堀闘争拠点を守り抜こう!

空港会社の暴挙は、これだけにとどまらない。暫定滑走路の北側延伸に伴う新誘導路建設のためとして「東峰の森」を破壊し、あげくのはてに暫定滑走路を南側に延長し、三千~四千メートル級の滑走路を作ることもぶち上げた。この空港拡張・新誘導路工事強行とセットでD誘導路の整備の一環として横堀団結小屋周囲に高さ三十二メートルの鉄筋柱を十八本(一月十三日段階)を建設し、金属製ネットを張り巡らした。かつて沖縄の米軍通信施設アンテナとしてあった「象の檻」のような状態となってしまった。横堀団結小屋周囲への鉄筋柱とネット囲い込み強行を許さない。
 空港会社は、すでに団結小屋周囲を鉄板製フェンスで囲むことによって封じ込めを強化してきたが、こんどは鉄筋柱とネット張りによる完全封鎖をねらったのである。しかし、横堀団結小屋、案山子亭、大鉄塔は、加瀬勉さんをはじめ断固たる空港反対派によって守り抜かれている。空港会社による直接的な破壊攻撃ができないのが現実だ。横堀闘争拠点を守り抜いていこう。

(Y)

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