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 3月3日、選択的夫婦別姓制度導入や婚外子相続差別撤廃などの民法正実現を目指して憲政記念館で「民法改正を求める!3・3決起集会」(主催・実行委)が行われ、400人が参加した。

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 選択的夫婦別姓制度導入や婚外子相続差別撤廃などの民法改正は、1996年に法務省法制審議会の答申として提起されていたにもかかわらず、自民党政権と右翼ら反対勢力の妨害によって制定が阻まれてきた。すでに国連女性差別撤廃委員会などの人権委員会から繰り返し法改正勧告が行われきたが、ついに日本政府に対して法改正実施のためにとった措置の報告を2011年までに行えと通告されるまでになっている。夫婦同姓を法律で強制したり、婚外子への相続差別を規定する国は日本だけだと言える。

 しかし鳩山内閣には長年、民法改正運動を取り組んできた千葉景子参院議員(民主党)、福島みずほ参院議員(社民党)が法相、男女共同参画担当相として入閣し、今国会で改正案を提出することを表明。改正運動とともに両大臣のイニシアチブによって法案制定の実現が可能な局面が生まれている。ところが連立政権を組む亀井静香金融相をはじめ国民新党が反対の立場のため閣内不一致状態にあり、法案提出にむけてデッドロック局面も発生している。運動強化によって法案提出をかちとっていこう。

 ジェンダー平等社会への前進するための踏みだしの一つとして選択的夫婦別姓制度導入や婚外子相続差別撤廃の実現が必要だ。亀井ら国民新党の敵対を許さず、鳩山政権は改正法案を国会提出せよ。

政府は民法改正法案を国会に提出せよ

 開会あいさつが榊原富士子(弁護士)実行委員長から行われ、「法案制定実現にむけたチャンスがおとずれている。この機会を逃さず、運動を強化していこう」と訴えた。

 棚村政行さん(早稲田大教授)と犬伏由子さん(慶大教授)から民法改正にむけた取り組み経過、法案についての解説と今後の運動強化の方向性を提起した。

 来賓あいさつとして大森政輔さん(元内閣法制局長官)、小池信行さん(元法務省参事官)、宇都宮健児さん(次期日弁連会長候補)、山本剛嗣さん(次期日弁連会長候補)、菊池幸夫さん(弁護士)、川崎達也さん(第二東京弁護士会会長)、久保利英明さん(弁護士)、樋口恵子さん(評論家)から発言。

 政党挨拶が小宮山洋子衆院議員(民主党)、浜四津敏子参議院議員(公明党)、仁比聡平参議院議員(共産党)、近藤正道参議院議員(社民党)から行われた。

 次に林陽子さん(国連女性差別撤廃委員会委員)、野中廣務さん(元官房長官)、泉徳治さん(元最高裁判事)からのメッセージ。

 さらに千葉景子法相から「多様な生き方、家族のありようをお互いに認め、ともに支え合う男女共同参画社会の推進のためにも制度実現に向けて全力を傾注してまいります」、福島みずほ男女共同参画担当相からも「昨年の女性差別撤廃委員会の総括所見においても、民法改正は2年以内のフォローアップを求められています。政府においても男女共同参画会議で重要課題として取り上げてきました。民法改正は、内閣をあげてやるべきことだと考えています」と強調するメッセージが届いていることが紹介された。

 会場壇上には全国から駆けつけた民法改正運動団体が登壇。「通称使用」裁判を取り組んできた関口礼子さん、住民票│戸籍続柄裁判、「婚外子」差別に謝罪と賠償を求める裁判を支援する会、婚外子差別をなくし戸籍制度を考える会、なくそう戸籍と婚外子差別・交流会、選択的夫婦別姓の会・富山、夫婦別姓選択制の実現をめざす―あいち別性の会、夫婦別姓選択制をすすめる会、別姓を考える会から運動の取り組み報告と改正実現にむけて力強いアピールを行った。

 最後に「今国会で民法改正実現を!」決議を参加者一同で採択した。

反対派の敵対をはね返していこう

 民法改正反対派の自民党、天皇主義の日本会議系、極右派は「日本を解体する選択的夫婦別姓絶対阻止!」を掲げて敵対を強めている。この日も法案反対派は、参院議員会館で集会を行っている。自民党の高市早苗衆院議員が「子どもたちが受ける悪影響は計り知れない」、山谷えり子参院議員も「すばらしい歴史、家族の歴史を紡いできたこの日本を解体してはならない」などと危機アジリを飛ばしていた。

 要するに反対派の主張は、夫婦別姓制度によって家族の姓を「統一」している民法上の「家族の原則」を崩壊させ、家族解体を導くものだというのだ。この延長に民衆の多様な生き方を認め、豊富な共存社会を作りだしていくことを拒否する天皇制と家父長制の防衛がある。手前勝手な珍説を押し出して法案反対アピールを繰り返しているにすぎない。グローバルな社会的公正の実現をめざす民衆運動と真っ向から対立するだけではなく、男女共同参画基本計画破壊につながる悪質なものに貫かれている。

 日本政府は、1985年に女性差別撤廃条約を批准しているが、いまだに民法の婚姻最低年齢・再婚禁止期間・夫婦別氏選択・婚外子差別の差別的規定を改正することをサボタージュし続けている。国連人権機関から是正勧告を受けているにもかかわらず「国民の意識が高まっていない」などと根拠薄弱なことをでっち上げて逃げ続けてきたのである。

 そして反対派は、政府のサボタージュを免罪する行動隊として運動を突出させてきた。熾烈な攻防局面において反対派は、頑張れ日本!全国行動委員会、草莽全国地方議員の会、外国人地方参政権絶対阻止行動委員会、日本文化チャンネル桜二千人委員会有志の会などが「密集」して全国展開を開始している。外国人参政権と合わせて「日本亡国法案」と規定し、街頭に登場し、全国集会を準備している。反対派の天皇制と家父長制を守り、強化していくための法案反対運動を許さず、法案改正を実現していこう。

『よくわかる民法改正―選択的夫婦別姓&婚外子差別撤廃を求めて』を読もう

 なお理論武装していくために『よくわかる民法改正―選択的夫婦別姓&婚外子差別撤廃を求めて』(編著:民法改正を考える会 発行:株式会社朝陽会)で学習することを薦める。パンフレットは、「夫婦同姓の強制、女性にだけある再婚禁止期間、男女差別の婚姻適齢、婚外子相続差別」など民法の問題点と改正の必要性をわかりやすく解説している。

 上野千鶴子さん(社会学者)は、「待ちに待ったチャンスがとうとうやってきた。今まで民法が改正されなかったほうがふしぎ。これを読めば『抵抗勢力』を論破できる!法律家やジャーナリストが熱い思いを傾けて世に送る緊急出版。民法が社会を変えることはめったにないが、社会の変化は民法を変える。すでに現実になってしまった変化をおしとどめようとする現在の民法は近い将来に「旧民法」と呼ばれるようになるだろう」と推薦している。ぜひ一読を! (Y)

●詳細については「民法改正情報ネットワーク」を参照。
http://www.ne.jp/asahi/m/net/

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